お知らせ
7月1日
7月1日は色々な数字の公表がありました。簡潔にまとめます。世の中の流れ凝縮しています。
●日銀短観:4半期ごとに集計される製造業の仕入価格上昇は販売価格上昇より大きい。中小企業ほど価格転嫁が出来ていない。
●国税庁路線価:全国平均で前年比0.5%上昇。令和4年1月から適用。路線価は相続税・贈与税の計算基礎に使われる。
●GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人):21年度10兆円黒字。運用収益率+5.42%。ほぼ1/4ずつ割り振っている投資比率(国内株式、国内債券、外国株式、外国債券)の内、国内債券単独では赤字。また22年1-3月では運用収益率は▲1.10%。
●総務省 6月東京23区消費者物価指数:前月比+2.1%。
住宅購入資金の手配
手当方法としては以下が考えられます。(併用可)
1.民間住宅ローン 代表的なフラット35や変動金利型、固定金利期間選択型等。
2.公的住宅ローン 財形住宅融資の利用・・・一般財形・財形年金・財形住宅のいずれかの貯蓄を1年以上続けた上、貯蓄残高の10倍まで。最大4,000万円。全体金額の90%、年齢、金利、返済期間等制限あり、物件に対する条件が比較的厳しい。
3.社内融資 (制度があれば)
4.親など親族からの援助 ①借入 ②贈与 ③共有名義。・・・各方法の税務与件、確認様式の手配をぬかりなく行う。
多く利用されるフラット35は以下が代表的な項目となります。
● 融資対象者 融資申込日 70歳未満。
● 返済負担率 前年年収 400万円未満 30%以下、400万円以上 35%以下。 (当該住宅ローンとその他借入金を合わせた年間返済額に対して)
● 融資対象の制限 対象物件と用途、品質技術基準に適合する物件基準、最低床面積等。(マンション30M2、戸建70M2)
● 融資限度 建設費、購入価格(上限規定なし)以下で、8,000万円限度。100%融資可。収入合算は条件付きで1名に限り可。
● 融資金利と返済期間 長期固定金利。90%超の場合、+0.26%。15年以上35年以内で80歳上限。元利均等又は元金均等の選択による毎月払い。
● 保証人、保証料不要。団信は返済額に上乗せ。
令和3年賃金構造基本統計調査
今年3月に厚生労働省が公表した「賃金構造基本統計調査」は、全国の主要産業に雇用される労働者の賃金の実態を、雇用形態、就業形態、 職種、性、年齢、学歴、勤続年数、経験年数別等に明らかにすることを目的として、毎年6月分の賃金等について7月に調査を実施しています。(49,122 事業所集計)
●一般労働者(短時間労働者以外):男女計では307.4千円。男性337.2千円。女性253.6千円。男女間格差は男性100とした場合、女性75.2。
●年齢:男性55~59歳がピークで、413.6千円(20~24歳比₊+92%)。女性は50~54歳の277.9千円。(20~24歳比+31.9%)
●学歴:男性 大卒 386.9千円。高卒 295.1千円。 女性 大卒 288.9千円。高卒 220.0千円。賃金ピークは男性は一緒ですが、女性大卒ピークは70歳以上でした!
●企業規模:大企業(全常用労働者数1,000人以上) 339.7千円。中企業(100~999人)299.8千円。小企業(10~99人) 279.9千円。
●産業別:「電気・ガス・熱供給・水道業」(419.7 千円)が最も高く、次いで「学術研究,専門・技術サービス業」(386.9 千円)となっており、「宿泊業, 飲食サービス業」(257.6 千円)が最も低い。
●雇用形態別:正社員・正職員 323.4 千円に対し、正社員・正職 員以外 216.7 千円。
●役職別:一般労働者のうち、雇用期間の定めのない者について、 部長級 577.9 千円、課長級 476.3 千円、係長級 367.8 千円。
インバウンド
明日より外国人の観光目的の新規入国が緩和されます。インバウンドに関して日本政府観光局に統計がありますので概要をお伝えします。
●2019年の訪日外客数は3,188万人で過去最高。2020年は4百万人、2021年は24.5万人と比較にならない数字でした。恐らく2020年はオリンピックが開催されることを想定し、観光立国として4,000万人位を見込んでいたのでしょう。
●2019年の外国人旅行者一人当たりの旅行支出額は158,531円。因みに日本人の国内旅行での一人一回あたりの宿泊旅行での支出は、国土交通省観光庁によれば、同年は55,054円。なるほど、外国人旅行者の方が3倍お金を落としています。
●2019年の訪日外客の70%は東アジア(中国、韓国、台湾、香港)でした。特に中国は9.5百万人と全体の30%を占めていました。
経済の回復をインバウンドや海外からの投資に求め、円安も容認ムードですが、ゼロコロナ政策の中国からどの位のスピードで戻ってくるでしょうか。
家計調査報告による貯蓄
総務省統計局が2022年5月10日に公表した、2021年の二人以上の世帯に関する貯蓄についての概要を下記します。
●二人以上の一世帯当たり貯蓄現在高平均値は1,880万円。前年比89万円増。勤労者世帯では、1,454万円で、前年比76万円増。
●約2/3の世帯が貯蓄現在高の平均値を下回る。=残り1/3の世帯が平均値を上げている。
●貯蓄現在残高がゼロの世帯を除いた世帯を、貯蓄現在高の低い方から順番に並べた時の中央値は1,104万円。(極端な富裕層と困窮層を除く観点)
●平均値1,880万円の内訳は、通貨性預貯金31.1%、定期性預貯金32.7%で合計1,199万円。(残りは生命保険、有価証券、金融機関外)
岸田内閣が、個人投資を促すためにiDeCo加入を65歳以上も検討するなどと言い出した背景は、上記のような日本人の預貯金率の高さが背景となっています。