お知らせ
令和4年度住宅ローン控除
令和4年度税制改正により、住宅ローン控除率(年末残高)が1.0%から0.7%に減額されたことは広く知られていますが、注意点を確認します。
●適用となる個人の所得要件が、合計所得金額3,000万円から2,000万円以下に引き下げ。
●対象居住年は2025年迄。
●新築住宅と中古住宅で、内容が異なる。
①控除期間 新築住宅13年、中古住宅10年。
②新築・取得する住宅の仕様(認定・省エネ)により最大控除額が変わる。2024年以降は、省エネ基準充足が必須。
③床面積50M²以上が適用。但し2023年末までに建築確認を受けた新築等でその年の合計所得金額が1,000万円以下ならば40M²以上-50M²未満も適用。
GPIFの利率
GPIFは公的年金の積立金を運用しています。年金を支払う世代の減少と受け取る世代の増加のアンバランスによる不足を、剰余金部分を運用する事によってカバーしようとする仕組みです。
● 現在は、国内株式、国内債券、外国株式、外国債券に25%ずつ分散投資し長期で運用するという、FP投資相談アドバイスの際には極めて模範的運用形態をとっていて、2001年度運用開始以来2021年第三四半期までの累計は年率3.79%という実績を上げています。これにNISAやiDeCoの非課税制度を利用し、目先の損得や市況の上げ下げにブレず分散投資を行い20年等長期運用すれば、貯金よりもお得ですよという説得力の背景になり得ます。
●上記FPアドバイスに納得感が強いのは40代半ば以降の方々です。色々見えてくるんですよね。。。一方、100万円投資して37,900円のリターンは多いと思わない人は、若い世代を中心に沢山います。まずは自分自身、切磋琢磨し将来価値拡充し、お金に働いてもらうならもっと勝負を賭ける投資選択を、ということになるのでしょうか。先週、確定給付型企業年金の運用利率引き下げなんてニュースもありましたしね。
企業年金とiDeCo
厚労省の2020年9月30日発表資料によると、従業員1,000人以上の企業の70%以上は、企業独自の年金制度を実施しています(退職一時金制度のみの企業は含みません)。
●確定給付企業年金(DB):事業主と従業員が、退職時給付内容(≒金額)を合意し、企業が運用します。金額は、在籍期間と職責による加算ポイント積算で行われるのが一般的のようです。DBは、退職時に受取が可能です。企業の運用費用対効果より、DB実施事業者数は減少、DC加入事業者数は増加という傾向が続いています。
●企業型確定拠出年金(DC):DBとは反対に、企業が掛金を拠出し、従業員自身が運用します。金融商品や、商品分散比率も、随時、従業員が決めます。運用成果による受取額は、自己責任となります。上限金額設定はあるものの、企業によっては、従業員自身が掛金を上乗せするマッチング制度を導入しています。商品の中にはリスクのない元本保証型商品も、通常は用意されています。60歳までは引き出せませんが、運用益は非課税、受取時は退職所得控除や公的年金等控除対象、マッチング拠出による掛金は全額所得控除になります。
●個人型確定拠出年金(iDeCo): 今年5月より原則65歳未満まで加入できます。更に今年10月より、マッチング制度を導入していない企業でも、企業型DCとの併用(=iDeCoへの追加加入)が認められます。加入申請は個人で行い、企業型DC同様に運用します。その年に支払った掛金は、確定申告により、課税標準から控除することができます。各社DC設定により掛金上限が異なりますので、会社に問い合わせてみてはいかがでしょう。
金利上昇と住宅
16日米連邦準備理事会(FRB)は短期金利指標であるフェデラルファンド(FF)金利水準を0.25%引き上げの発表を行いました。ゼロ金利の終焉です。注目すべきは22年中に7回追加利上げ想定を示したことです。
●日米金利差が広がれば円安傾向になりがちです。食料・化石燃料・電気等のコストはあがり、基本生活費に影響します。
●ロシアウクライナ情勢長期化により全世界で貿易自由度制限がかかります。元々、既に日本は世界先進国から見て物価が安すぎる国になっています。
●23年度、金融緩和政策を進めてきた日銀総裁が交代します。
現在住宅ローンを組んでいる、或いは5年以内に住宅取得を検討する方は、金利上昇を想定した対策を早めに打つべきです。変動金利/固定金利選択時期による月次返済差額計算や前倒し返済検討は勿論のこと、社内融資制度の確認や住宅財形貯蓄非課税枠獲得、物件検討を開始すべきでしょう。低金利があまりに長く続いた為、2005年は3.5%を超えていた固定金利での生活を想定するのは難しいですが、当時は金利が相当な負担でした。
一方、不動産物件売主は、コロナ後に売り物件が一気に増える可能性(コロナ禍、内覧を受け入れない潜在的な売主がいます)と、金利上昇により買い手の出せる金額にキャップがはまることにより、結果的に不動産市況が下落するかもしれないリスクを視野にいれておきべきかと思います。
4月5月に変わること
抑えていきたいポイントは以下となります。
①民法改正による成人年齢の引下げ:4月から成人年齢が18歳になります。親の承諾なく本人のみの意思で借入、契約、国家資格の取得ができ、結婚可能年齢が適用になります。投資に関しては、NISAは1月時点の年齢が適用基準になるので、NISA口座開設は4月以降18歳以上になる方でも来年1月からとなります。
②iDeCo加入が5月、60歳未満から65歳未満に拡大され今までより5年長くなります。iDeCoは60歳まで引出ができない、受取時に課税控除枠の利用工夫が必要という点を理解して運用すれば、仮に商品を元本割れリスクもありうる投資型商品ではなく銀行定期預金元本保証低利息型を全額選択したとしても、掛金全額が所得控除されますので、加入した年から節税効果が期待できます。普通預金に置いておくよりは余程メリットがあるといえます。