お知らせ
2022 / 07 / 19 19:05
共同親権
日本は世界でも稀有な単独親権制度を採用している国で、現在、民法改正を視野に入れて、法制審議会部会で共同親権への変更や選択権が検討されています。
●親権は死別、離婚等で未成年の財産管理・子の心身健全な育成の行使責任を決めるものですが、ひとり親になる原因の80%は離婚である為、その際の運用が問題となります。具体的には、慰謝料や財産分与以外、子の進学方針をもとにした養育費や面会交流等で大きく個人差が生じるポイントになり得ます。
●厚生労働省のひとり親に関する最新調査報告は平成28年度なので、コロナ渦の現在を正しく反映しているかは微妙ですが、例えば、養育費に関して考察します。母子家庭の母の養育費に関する主な相談相手は47.7%が親族で、17.1%は家裁、15.7%は弁護士です。養育費の取り決めをしていると回答したのは、42.9%にとどまっており、取り決めをしない最も大きな理由は、相手と関わりたくない、次いで相手に支払う能力がないと思った、が続きます。
●共同親権が認められると、DV等を理由にした離婚の際、より複雑な状況も生まれる可能性があります。社会保障制度の根幹の一つである会社員+専業主婦という概念では生涯設計が難しく、自分でも稼いでいく生き方を必要とされる女性数が増加する社会構造は明らかです。女性がひとり親になった時と回答した際の母の平均年齢は33.8歳です。若い世代の意見が反映される制度改正が行われることが必要ですね。