お知らせ
相続登記の義務化
●昨年、民法・不動産登記法の改正及び相続等により取得した土地所有権の国庫への帰属に関する法律が制定されています。令和6年4月1日施行です。
●相続によって不動産を取得した相続人は、その所有権を知った日から3年以内に相続登記の申請をすることが義務化されます。
●過去の相続も義務化の対象で遡及適用され、怠ると10万円以下の過料が適用されます。
まだ1年以上も先のことだし、元々性善説にたてば当たり前の話かもしれないので余り世間で話題にはなっていませんが、義務化=罰則が伴う規則の実施という話です。
みなし入院保険金対象縮小
●生命保険各社が新型コロナウイルス感染症に対する入院給付金について、支払い対象を大幅に絞るとの報道がされ始めています。発表主体がない報道なので、”関係者の話で分かった”というようなリーク記事です。最近は、正式発表に先立つこういう発表の仕方が多いですね。着地点が結果的に横並びになる為の地ならしといったところで、各社は9月下旬から適用検討していくようです。
●具体的には、政府による感染者の全数把握の見直し等に呼応し、高齢者や重症化リスクの高い人等を除く、自宅療養やホテル療養であった”みなし”は、今後、対象外としていくとのことです。保険会社は今年の3月以降、この”みなし”に相当多額の保険金を支払ったとの報道です。
●今後、対象にならないとなる方々にとっては従来型の生命保険・医療保険の利用価値を見直すきっかけになるかもしれません。最近は、1-2年限りとしたさまざまな分野での短期少額保険(色々あって面白いですよ)がたくさん開発されており、感染症型特定した短期少額保険もありますが、現在は保険会社の保険料の改定を視野に入れて、受付を停止したりしています。
各種疾病に、民間保険に加入して備えようとする方は、保険料が払い損にならないよう保険金を確保努力をするのは大切ですが、健康保険又は国民健康保険制度に加入し保険料を払っているのですから、ご自身の保険料負担率や、自分の収入の場合は高額医療限度額がいくらかという観点も見ておいた方が良いですね。
住宅ローン金利動向
●2023年4月8日は日銀黒田総裁任期満了日です。アベノミクスを支え低金利・円安容認方針を続けた2期10年の長期政権交代が行われ、その後継者と、物価を含めた政権での新たな方針変化があるかは、財経界にとどまらず、日本国民や全世界が注目すべきタイミングであるかと思います。実際は、満了日の2-3か月前から様々な憶測による変化が出始めるのでしょう。
●物価高の現在は、低金利維持政策という方針が一般的解釈ですが、実際の主要銀行住宅ローン35年固定金利型では適用金利がじりじり上がってきています。2022年8月は1.53%で前年同月(1.28%)比+0.25% という数字も見受けられました。同じ期間、変動金利型金利率は0.44%で殆ど動いていません。
●米国は今年3月政策金利引上げを発表以来、現在まで次々に利上げが実施されており、結果、連動した米国住宅ローン金利は2022年8月は5.65%(政策金利引き上げ発表前は3.5%以下)と半年弱で+2%以上になっています。日本で簡単に政策金利を上げられるかの議論は山ほどありますが、既に、現場といえる銀行の長期固定金利適用利率がジリ高傾向であることは頭に入れておくべきでしょう。
●今週発表された米国の7月新規住宅着工件数は前月比-9.6%と大幅ダウンになっています。金利が高すぎと購入検討者が感じていることを反映していると思われます。そうすると住宅は売れなくなり、総じて住宅本体の平均売却価格は下がってくるでしょうから総額でバランスが取れてくるかもしれません。
住宅は人間と同じ、唯一無二のものですから単純に高い安いでは決められませんが。
NISA改正?
本日、不確定情報として、2023年税制改正に、NISA非課税制度の拡充が報道されています。
● 現在の一般NISAは5年、つみたてNISAは20年、ジュニアNISAは来年末迄の非課税期限が設定され、この三つを重複した複数口座を同時に個人が開設することは出来ません。
● 報道によれば、この非課税期限の撤廃や未成年名義NISA、非課税枠の拡大等が案にもりこまれているようです。(一般NISAは年120→240万円、つみたてNISAは年40→60万円等の数値も日経で紹介させています。)
現政府は、益々個人投資を促進するよう制度を整備するという方針がリークされた事になりますが、米国金利上昇による現地住宅着工鈍化や海外不安定状況が続く中、投資による利益は絶対ではない事を再確認し、生活資金、住宅資金、教育資金、老後資金を除いた余裕資金内で行う事が望ましいですね。
”じゃない”寿命期間
●7月29日、厚生労働省より2021年平均寿命と平均余命が記載された令和3年簡易生命表が発表され、コロナの影響などで平均寿命は前年比若干縮み、男性が81.47年、女性が87.57年と報道されました。
●上記の比較として語られるのが健康寿命です。定義が曖昧になりがちですが、3年毎に公表されるようで、直近は2019年調査時の男性72.68歳、女性75.38歳で、”じゃない期間”は9-13年程度あります。
●老後の必要資金金額であまり語られていないのがこの期間で、健康寿命期間と同じように暮らせる環境を自宅で保てるかの検討は大事です。凡そ10年にもわたる自宅での介護継続する側の負担は、公的介護保険・民間介護保険・医療保険等で金額的にカバーされたとしても、厳しい事は覚悟しておくべきです。
●特別養護老人ホームはユニット型個室が増えてきており、そこに入居出来れば、月額負担は、老齢年金(基礎年金+厚生年金+企業年金)等の本人受取合計金額との比較範囲でしょう。但し要介護5(要介護3以上でないと入居資格なし)や上記健康年齢を大きく上回る高齢者に入居優先権があり、上記平均健康寿命前後だと現状では入居は難しく、民間老人ホームの入居を検討する事になります。入居一時金は多額で、多くは1,000万円を大きく上回る資金(一時金の一部は当初償却として、中途退去しても返却しないケースが多い)が必要です。現役時代に良い居住環境で過ごされている方ほど、この一時金相当額を多めに確保する手段を検討しておくべきでしょう。